私の好きな空間
今回『ワーニャ伯父さん』を上演する会場は、「スタジオ空洞」という池袋にある劇場です。
劇場、とは言いますが厳密に言えばおそらく劇場ではないかと。
そこで毎夜毎夜、様々なお芝居が上演されているので便宜上『劇場』と呼ばれてはいますが元々は、お芝居を上演されるために作られた空間ではないと推測します。
だってまず、舞台がない!
そして客席がないっ。
全てはそこに棲む人たちが、期間限定でそれぞれ棲みたいようにゼロから空間をデザインし、建て込みをしたり客席を作ったりしてかりそめの舞台・客席・世界を作る。
そしてお芝居が終わったら全て壊してゼロに戻す。
その繰り返し。
遊牧民がゲルを建て、
そしていずれ去って草原が残るように、
そしてそれを延々と繰り返していくように、
「スタジオ空洞」は我々演劇の民にとって、
「草原」のような役割を果たしてくれています。
草原は、地理的にも意味的にもフラットで、来る者を拒まない。
「スタジオ空洞」という空間には常に、そんなフラットさが漂っているように感じます。
だから好きなのです。
そしてもうひとつ、フラットである以上、客席と舞台は必然的に地続きになります。
この、「客席と舞台が地続きになっている空間」というのが、私はとても好きなのです。
ではなぜ「客席と舞台が地続きな空間」が好きなのか?
そこには私のお芝居との出会い方にルーツがあるように思います。
で、そのルーツについて記憶を辿りながら書いていくと、これはもう相当な長文なってしまうので今回は、一旦ここで切り上げさせて頂きますね。
続きはまた今度に、是非!
さぁー、本番を目前に控え、時間との戦いになっている私に続編を書く枠が残っているのかどうかっ。
微妙!
しかしとっても書きたい内容なので、たとえ『ワーニャ伯父さん』後になったとしてもこの続きは必ずここに書き記させて頂きます。
そんな訳で、今後もお付き合い頂ければ幸いです!
最後にもうひとつだけスタジオ空洞の魅力をお伝えしますと、スタジオ空洞は地下一階にあって文字通り「アンダーグラウンド」な空間なのですが、扉を開けて入るとそこは真っ白な壁の「白い空間」です。
「アンダーグラウンド」な「白い空間」。
このギャップが好きなのです。
バングラvol.2『ワーニャ伯父さん』もその白い空間に現出します。
乞うご期待!
ぜひ池袋のスタジオ空洞に、いわゆる劇場とは一味違う劇場体験をしにいらしてくださいませ。
三村聡
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